泳いで沖縄本島1周 5日目 本部港手前のゴリラチョップ岩-今帰仁村今泊 15km

 台風の停滞は4日間だった。荒れていた海が落ち着いて、泳ぎだすことが出来た。この前上陸した本部港手前からだ。風向きが悪く、スタートして直後の港付近は風波がバッサバッサだったが、大きなフェリーが着く港なので強めに泳いでペースを上げる。那覇-鹿児島-東京航路の全長100m以上の大きなフェリーが入る岸壁だ。その岸壁寄りギリギリを通る。その方が陸にいる人から死角になり、騒ぎになりにくいだろう。港を横切るのは気疲れする。もちろんフェリーなどの大きな船が来ない時間を選んで行くのだが、予定外の船があるかもしれないし、小さな船はもともとスケジュールなんてない。「普通そんなところは泳がんでしょう」という暗黙の了解があると思われるので、とにかく落ち着かない。那覇の海上保安本部は「本部港は泳いでかまわない」と言っていたが、あれは法的にはかまわないと言っていた訳で、雰囲気的にはNGだ。穏便に、ささっと通ってしまいたい。なので、通る前に港の管理事務所に電話する。「港の前を泳いで通りたいんだけど」なんて言ったらアウトなので、「大きな船の写真を撮りたい」なんて適当なことを言って、入出港のスケジュールを聞くのだ。元々下調べしてあるので、電話で聞いたのと照らし合わせて、間違いないことを確認してから、やや安心して泳ぎだす。
 本部港を越えると、すぐに次の渡久地港に差し掛かる。ここはカツオ漁で知られている大きめの漁港だから漁船がよく出入りする。近くの水納島までの高速船も通る。河口全体が港になっていて、両岸からの堤防で河口が幅50メートルくらいに狭めてある。そこが航路だ。横切ることになる。堤防の上に何人か人がいるのが遠くから見える。そこ目指して進んで行くと、一人が「ここは船が通る場所だからこっちにくるな」と手振りで示した。その人に軽くオイデオイデして見せて、「まあ話をしましょう」というつもりなのだが、その人の下まで泳いでいった。水面から見上げると、60歳過ぎくらいだろうか、顔は日焼けでなめし皮のようになっていて、白髪角刈りで、眼光ケイケイとしていて、ハダシに便所サンダルを履いていて、手指は、力仕事を長くした人の手はそうなるのだが、グローブみたいに太い。文句なしに怖そうな漁師さんなのだが、今日は「慰霊の日」で休みなのだろうか。

「あの~、この辺は船が多いので、迷惑を掛けないように気を付けてなんだけれど、向こうに渡るんだけど、船は見えますか。」
「今は仕事の船が通るよ」
「じゃあちょっと待ちましょうかねえ」

待っている間に、小さなクレーンをつけた船が通っていった。港のすぐ外に見える養殖網に向かう作業船なんだろう。

「どこから来た」
「瀬底に住んでいるんだけど、今は泳いで沖縄本島を一周していて、今日は今帰仁までいきます」
「・・・ガハハハハ!(仲間数名とのけぞって笑う。)」

生きた心地しないが、好印象らしい。

「1~2分で渡れるんだけど、そこから水納島の船は見えます?8時45分に来るはずなんだけど。(今は35分)」
「ああ、大丈夫、今向こうを出たところだ」
「じゃあ今パパッと渡っちゃいましょうね、見といてもらえますか」
「ああ。(見やすいポジションへ移動する)」

 怖い人と仲間数名、最強見張りの中を渡ることができた。対岸の堤防について、手を振って別れた。(写真では見えないけど、向こうの灯台の辺りに人がいる。)

現場の人は、話が早くてかつ具体的で気持ちいい。
美ら海水族館の前を過ぎる辺りから風は追い風になり、順調に進んだ。

 海から見える水族館は銀色だ。オキちゃん劇場(イルカショー)の白い屋根も見える。この辺りで、大人しいネムリブカというサメが3匹いた。僕と同じくらいの大きさだ。

 水深5mくらいで、真下に3匹いたのだが、慌てて逃げていく様子はない。電気式サメ避けの有効範囲は半径5メートルよりは小さい、と考えればいいのだろうか。大丈夫か。

 エメラルドビーチを過ぎたあたりでリーフ内に入り、備瀬崎はリーフ内の観光の皆さんが泳いでいる浅瀬を「?」という視線を感じつつササッと通り、その先はリーフ内の浅い海を泳いで午後2時、今帰仁村今泊着。

今日のキャンプ地は気分がいい。

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